koyuki. FUJIFILM Log

富士フイルムのカメラとレンズの感想文みたいなブログ

【1ヶ月使用】GFX100 II レビュー

koyuki.です。

2023年ももう終わりだと言うのに未だに年末感がないです。

 

 

タイトルの通り、今日はGFX100IIの使用レビュー記事です。

購入してから1ヶ月、忙しくてなかなか外出も出来ず……
ほんの数日、しっかりと使うことができたので数日使っただけですがレビューを書いていこうと思います。

なお細かいスペック等はメーカーページをご覧ください。

fujifilm-x.com

 

この記事は以下の内容でGFX100IIをレビューしていきます。

  1. 外観&操作感
  2. GFX50SIIとの比較
  3. X-H2Sとの比較
  4. AF
  5. 1億画素の恩恵
  6. 動画性能
  7. 総括

 

 

⬛︎ 1.外観&操作感

 

GFX100IIの外観でまず特徴的なのはやはり傾斜がついている軍艦部でしょう。

私が知る中で軍艦部に傾斜がついているカメラはGFX100II以外ならばPENTAX SFXくらいです。(多分他にもあると思います)

https://www.ricoh-imaging.co.jp/japan/support/man-pdf/sfx.pdf

 

私は普段左目でファインダーを覗いて撮影してます。
なのでファインダーから目を離さずに右目で軍艦部にあるサブ液晶を見ることができます。

このサブ液晶にはシャッタースピードや絞り、ISO感度など重要な撮影設定の他、レリーズボタン付近の3連ファンクションの表示もされます。

意外とこの3連ファンクションボタン押しやすいです

Qボタンはサムレストにあります。

この指掛かりが良くとてもいい仕事をしています。

反対側から見るとこんな感じです。

グリップに関してはかなり握りやすく、伝わりにくい表現で恐縮ですがNikon D500と同じくらい握りやすいです。(D500マジで軽く感じます)

なのでボディだけで1kgという重量を感じません。

 

使用メディアは念願のCFexpress対応です。
GFXのデータ量(TIFFで300MB以上)でSDカードでバックアップ取るの結構大変だったので、CFexpress対応は必須だったと思います。
スチルデータもSSD直接記録できるので、インターバル撮影で何百枚も撮る時にもSSD対応も有用な機能だと思います。

反対側はLANケーブルやHDMI端子、USB-C、マイク端子があります。
さすがプロフェッショナル機、HDMIはフルサイズです。
今の私の使い方ではLANケーブルは挿さないでしょうけど、それ以外は必要なのでどれが欠けても厳しいです。
ここでひとつ要望を言うならばUSB-C端子を2ポートにして欲しかったです。
データ転送と給電を同時に行えるととても助かるのですが…。
今後の撮影次第ではバッテリーグリップの購入を検討しようと思います。

イヤホン端子はグリップ側にあります。

 

ロゴらしいロゴは軍艦部とモードダイヤル付近の「GFX」の文字くらいです。

FAN-001にも対応。

FAN-001を装着できるようにするために液晶の稼働域が他のチルト液晶機種よりも多い気がする。

3軸チルトは健在。
ちなみに液晶はチルトでもバリアングルでもどちらでもいい派です。
でもチルトならこの3軸チルトじゃないと嫌です。

 

レンズ横ファンクションボタンもありがたい拡張機能です。
ここには基本的にファインダーを覗いている時に操作したいブーストモードや電子水準器表示を振ってます。

反対側はさすがにファンクションボタンないです。

 

地味なポイントですが液晶に鼻が当たることがないくらいファインダーが飛び出ているのでタッチファンクションもまともに使えそうです。

液晶サイズはGFX50SII(GFX100S)と同じでした。
(GFX50SIIの時に付けてた液晶保護ガラス移植した)

BISHAMON-TEXは握り心地もよく、撮影に集中しやすいです。

ファインダー倍率1.0倍はド迫力で隅々まで画角を確認できる点も撮り心地が良いです。

 

⬛︎ 2.GFX50SIIとの比較

GFX100II購入まで使い続けたGFX50SIIとの比較です。
GFX50SIIは予約し発売日に購入してから約2年使用しました。
この2台で比較して差がある点は以下の箇所です。

  • AFスピード
  • 被写体認識
  • 動画性能
  • バッテリー消費
  • ファインダー

 

・AFスピード

コントラストAFのみのGFX50SIIですが、AFが遅いというわけではありません。
これに関しては以前にも記事で書きましたがIBISが強力なので像が安定するためコントラストAFでも十分なスピードがあります。
しかし、コントラストAFでは難しい単色の平面な部分へのAFや、暗所でのAFはどうしてもスピードが遅くなります。
2年間でAFに苦戦した記憶は実はあまりないのですが、それはあくまでコントラストのある部分で合わせて被写界深度を深くしたりとカメラへ配慮をしたのもあると思います。

GFX100IIでは体感ですが倍以上のスピードでAFできます。
そしてコントラストがあまりない場所へのAFも可能なのでGFX50SII使用時の配慮、敢えて言うならばストレスはなくなりました。

 

・被写体認識

これが特に差があると感じる部分です。
GFX50SII時は瞳AFがあまり精度が良いとは言えず、ポートレート撮影時には一応試してみるものの上手く機能しないことがそこそこあったので基本的にはAFポイントを移動して瞳に合わせてフォーカスすることで撮影してました。
GFX100IIの瞳AFは素早く機能してくれます。
ラージフォーマットの浅い被写体深度でもしっかりと瞳にピントが合ってます。
そして新たに動物や車、飛行機や鳥などの被写体認識も可能になったので撮影が一気に楽になりました。
構図や設定を考える余裕が生まれ、より気楽にラージフォーマットでの撮影を楽しむことができます。

 

・動画性能

GFX50SIIではフルHDまでの画質で動画撮影ができます。
これまでの私の撮影内容ではそれで全く問題はなかったのですが、クロップでの画角調整で画に変化をつけたりと映像のバリエーションを増やせる点がメリットだと思うので画質向上はありがたいです(それでも8Kは必要なさそうだけど…)

GFX50SIIの動画圧縮方式はLong GOPのみです。

ここで少し話が逸れますが…
Long GOPは編集しない人向けのフレーム間圧縮方式と言われています。
編集中にプレビューする時、Long GOPは都度圧縮した画を復元するのでPCへの負担が大きくなります。(そのかわりデータは軽くなります)
撮りっぱなしの記録映像や、編集作業をあまりしないのであればLong GOPでも問題ないとは思います。

GFX100IIはAll-intraとLong GOPの両方の圧縮方法に対応しています。

All-intraは逆にフレーム間圧縮をせずに全画像がそのまま記録されるのでデータ量は重くなりますが、プレビュー時に復元しないのでPCへの負担は減ります。
複数の映像を組み合わせてBGMをつけたりトランジションや文字、エフェクトを入れるような編集をする人にはAll-intraが向いていると思います。

これが選べるようになったのも大きな進歩です。

そしてハイスピード動画にも対応したのでその点が大きな変化です。

 

・バッテリー消費

これはGFX50SIIの方がバッテリー持ちが良いです。
体感ですが最大で200枚分くらいの差があると思います。
GFX100IIではRAW+JPEG、被写体認識AF、ノーマルモードで600枚撮ってバッテリー残が10%未満といった感じです。
これでもそこまで困ることはないですが、バッテリー持ちは悪くなったと感じてます。

 

・ファインダー

GFX50SIIのファインダーに不満はないです。
ですがGFX100IIの1.0倍のファインダーを見た後だとどうしても小さく感じてしまいます。
そしてドット数の差で感じる画質の差は大きく、GFX100IIを見た後だと画面感というかドット感を感じてしまいます。

 

それ以外ですと

素数の差によるストレージの使用量増加が著しくデータ管理・運用方法を考える必要がありそうです。

プロセッサーとセンサー世代の差があり描写の緻密さには感動する点があります。
その点は別の項目でも触れようと思います。

以上がGFX50SIIとの比較です。

 

⬛︎ 3.X-H2Sとの比較

センサーサイズの違うX-H2Sとの比較なのであまり比較にならないかもですが、実際に使用してみての体感を書いていこうと思います。

比較できそうな点はこちら

  • AF
  • 解像度
  • 使い勝手
  • バッテリー持ち

・AF

これは実はあまり差を感じてません。

これには本当に驚いていて、被写体認識のスピードと正確さはX-H2Sとほとんど差がないように思います。
AFの精度とスピードを求めて今年の春に購入したX-H2Sをわずか半年程度で手放す必要があったのか…やや疑問に思っていましたが、AFに差がほとんどないことがわかった途端その疑問はふっ…と消えました。
何より富士フイルムのカメラでここまでAFに満足できるカメラがあるとは5年ほど前までは考えたこともなかったですし、それがラージフォーマットでも叶えられていることに本当に驚いています。

 

・解像度

ラージフォーマットと一番比べるべきではない部分かもしれません。
ですが再度ここに書きたいのは、膨大なピクセル数が重要な人が今どれほどいるだろうか、と言うことです。
実を言うと私もさすがに1億画素もいらないです。
ですがそこに魅力を感じて購入したわけではないので仕方ないというか…。

第5世代のセンサーとプロセッサーの描写はとても素晴らしいと思います。
それは印画紙にプリントする私だからこそ感じている点だと思います。
フジノンレンズの実力は底なしかと思うほどです。
X-S10を購入してよく撮れたと思った写真をA4で印刷した時

「あれ…富士のカメラってこんなに写り良かったっけ…?」

と感じてからα7RⅣをほとんど使わなくなりました。
素数が多いからプリントした時に表現力があるというわけではなく、レンズの魅力とそれを活かすことができるボディ、そしてその写りが好きかどうか…これが大事だと気付きました。

素数ではない解像度、それが第5世代のX-H2Sの実力だと思ってます。
それと比べた時、解像度の差をGFX100IIとで感じることがあるのかと言うと、A4サイズまではあまり感じませんがワイド4切やA3サイズにすると差を感じます。
これをどう感じるかはユーザー次第なのですが私自身はラージフォーマットこそ至高!!とは思ってないということだけははっきりと言えます。
ぶっちゃけ液晶画面の中だと解像度の部分で差を感じることはほとんどないです。

 

・使い勝手

これはぶっきらぼうに比べても意味がないのでいくつかの点に絞っていきます。

被写界深度のコントロールそれに伴うISO感度のコントロール等で気楽さがあるのはAPS-C、つまりX-H2Sです。
逆にラージフォーマットになると被写界深度を深くしようとしてS.Sの低下による狙ってない被写体ブレ写真を量産することがあります。
いろんな側面で言えばどちらにも良し悪しがあるようにユーザーによって使い勝手も異なるでしょうから自分の撮影スタイルや被写体を見極めて機材選びをするべきだと思います。

 

・バッテリー持ち

これはやはりX-H2Sの方が良いです。
GFX100IIは節約できる点が多そうなのでここは工夫次第で差が少し埋まるかもしれないです。

 

・ファインダー

決して不満のあるファインダーではなかったのでX-H2Sのファインダーはいわゆる液晶感はあまりなかったです。
言うなればGFX100IIは度が過ぎて綺麗です。

 

⬛︎ 4.AF

GFX100IIはX-H2Sと同じHSセンサーです。

と言うだけあってAFは素晴らしいです。
精度、スピードそのどちらでも難しさを感じたことがこの1ヶ月でほどんとなかったです。
それはLMを搭載していないレンズでも言えることなので、GF35-70mmやGF80mmでもストレスのない撮影ができています。
特に被写体認識AFの恩恵はとても大きく、先日訪れた猫カフェでの撮影で実感しました。

まずはそこで撮影した写真をご覧ください。

写真は全てGF35-70mmで撮影しています。

GFX100IIの性能を試すために撮影をしたわけではないですが、あまりに撮影が楽しくて気づけば600枚ほど撮ってました。
毛の色や特定被写体が複数いる場所、眼を開けてても閉じてても暗がりにいても被写体を認識して可能な限り瞳にAFしてくれる。
これには感動しました。
X-H2Sで感じた被写体認識AFの有用性をしっかりと感じることができてとても満足しています。
これを猫以外の被写体でも実現してくれるのだからこんなに安心して持ち出せるカメラはないなと思ってます。

例えば明るい単焦点レンズやLMを搭載したレンズだけでこれが実現するのであればここまで喜んではいなかったと思います。

「最安純正GFレンズ」でこのレベルのAFが可能
ということに感動してます。
おかげで安心してレンズに投資できます。(しばらく無理だけど)

 

別の日に三浦海岸に行った時のこと。

海辺で写真でも撮ろうかと思い、何の気なしにGF100-200mmをつけて浜辺に出たら鳥がいました。
冗談半分で被写体認識の対象を猫から鳥に変えてみました。
こちらは35mm換算で160mm、超望遠とは言えない焦点距離
小さめの幼稚園の運動会ならば満足に撮れるだろうかという画角だと思います。

しっかりと鳥を認識して追いかけてくれました。
しかもしっかりとピントが合ってます。


まさか本当に撮れるとは…
正直、この時は驚きました。
ちなみにS.Sは1/4000でなければピタッと止めることができませんでした。

そしてこれは次の項目にも繋がります。

 

⬛︎ 5. 1億画素の恩恵

まずは写真をご覧ください。

これが1億画素かぁ…。
1枚目はノートリミングです。

他にも強風に任せて旅に出ようとしている発泡スチロールの箱が…

何が入っていたか判明してしまうほど鮮明に描写してくれてます。

この箱そこそこの速度(普通の人が走っても追いつかないくらい)で回転しながら転がってたんですけど鳥撮ってる最中だったのでS.S速めに設定してたからたまたま撮れた写真です。追従性能とセンサーの読み出しが速いからこそ撮れた写真とも言えます。

そこに1億画素の恩恵が加われば望遠レンズの選択肢が少ないGFレンズでも楽しめそうです。

緻密な上に自然な描写、それがGFXの魅力とも言えます。
その緻密さに拍車がかかったと1億画素になって思いました。

 

 

⬛︎ 6.動画性能

これを語るほどまだ動画を撮影していないのですが、現時点でGFX100IIの動画性能で進化を実感したのは以下の点です。

  • 動画AF性能
  • ノイズの少なさ
  • 内蔵マイクの集音性

これらはGFX50SIIとX-H2Sを使った上での話です。

 

・AF性能

AF性能は静止画撮影中とほぼ変わらないAF精度とレベルでした。

先述の通り、X-H2Sの動画撮影時のAFにはかなり満足していたのでそれとほぼ同等のレベルでのAFがGFX100IIでも実現しているのでとても満足しています。
特にGFX50SIIで動画を撮るときは基本MFだったので、AFを使った動画撮影がラージフォーマットでも可能というのが私的にとても嬉しい点です。

・ノイズの少なさ

これは室内での撮影で使用した時のことです。

私の活動しているバンドの活動記録として動画を撮影しているのですが、基本的にGF35-70mmのワイド端でF9くらいまで絞ってなるべく広い範囲を撮影しています。
しかし、そこまで絞るとどうしてもISOが上がってしまいます。
GFX50SIIの時はノイズ量が多くて編集時に萎えてしまったのでAPS-Cのみで撮影してました(これがセンサーサイズが小さいカメラのメリットとも言えます)
GFX100IIで撮影した動画を帰宅してPCで確認した時、ISO4000まで上げたのにノイズを感じずとても自然な映像だったので逆に不審に思ったほどです。
APS-C機ではここまでISOが上がるほど絞って撮ることが少ないのでそこと比べるのはナンセンスな気もしますが、GFX50SIIと比べてノイズの少なさを実感することはできました。

 

・内蔵マイクの集音性

これまた同じく室内、バンドの演奏を内蔵マイクで録った時のことです。

音割れ防止のためにゲインはメンバーが音を出している間にあらかじめ下げて備えたので内蔵マイクが音割れしないわけではないです。
X-H2Sの内蔵マイクもかなり優秀だったので重宝していましたがそれに並ぶほど立体感のある音を録ることができます。
指向性は変えられないのでインタビューや楽器単体などの音を録る場合は、クオリティを考えたら単一指向性のマイクを用意すべきだとは思います。
内蔵マイクでもそれなりにいい音が録れるのでとても満足しています。

 

⬛︎ 7.総括

こうして記事にしてみるとやはりまだ深く使い込めてないなと感じるのが正直なところです。
ただこの1ヶ月でも今までの機材との差や進歩している点が見つかったので、今後もGFX100IIには感動させてもらえそうだと思います。

114万円と安くない、むしろデジカメの中ではトップクラスで高い金額なので求めるレベルも必然的に高くなりますが不満らしい不満は今のところないです。
そしてまさか私がここまで高い金額のカメラを手にするとは…とも思っています。

このカメラを必要としている人は多くはないと思います。
写真や動画を撮る人全てに求められるものではないです。
金額が高いから全てのユーザーにとって優れたカメラではないとも思っています。
GFXの描写が好きで、写真も動画もしっかりとGFXで撮りたい、そんな人にはとても魅力的なカメラだと思います。

以前の記事で2023年最終機材と紹介していたくせに

koyuki-fujifilm.hatenablog.com

ガラリと変わってしまった…。(しかも半年しか経ってないじゃん)

これが真の2023年最終機材です(2023.12.29現在)

GFXのフラッグシップinstaxのフラッグシップ、極端すぎる布陣。

これでよかったと1ヶ月の時点で思えます。
私にとっては最高のカメラです。

またしばらく使ってみたら記事を書こうと思います。

では最後にこの1ヶ月GFX100IIで撮った写真をいくつか載せて終わりにします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

以上、最後まで読んでくださってありがとうございました。

また次回の記事でお会いしましょう。