koyuki.です。
タイトルの通りNikon F100のお話です。
そしてNIKKORレンズの話でもあります。
え…マウント変えるの?と思った方もいるかと思いますが、自分は富士フイルムからマウントを変更することはないです。色々渡り歩いて流れ流され辿り着いたというか出戻った先が富士フイルムです。ここに辿り着くまでに100万円程度使ってます。
マウント追加することはあるかもですが、XマウントとGFマウントだけでも所得的に精一杯なので収集・興味本位でマウントを増やす行為は今の自分にとって自殺行為だと思ってます。
話は戻して…
以前どこかでNikon F100のことを書いたかもしれません。
Nikon F100で使うレンズをどうするか、という内容になります。
そもそもNikon F100とは?
F5ジュニアと銘打ってあるこのF100。
F5というカメラはNikonのフラグシップ一眼レフ、プロフェッショナルモデルですが、そのF5を色々と端折って小型軽量化したモデルとなってます。
ファインダーの剛性やら連写速度やらで差別化されているようですが、現代のニーズから考えたらあまり重要ではないように思います。
AFの精度にはほぼ違いがなく、ボディの素材は同様にマグネシウム。
まさにF5ジュニアと言えるでしょう。
ちなみに発売は1998年、90年代後期だけあってつい数年前までみんなが使っていたデジタル一眼レフのルックスにとても近いデザインをしているのも馴染みやすいですね。
話は逸れますがなぜフィルムで撮るのかという話にも少し触れておきます。
メリット・デメリットで説明できる部分もありますが、基本的にはフィルムの描写が好きだからです。フィルム価格高騰によりフィルムでの撮影を止め、フィルムでの撮影機材はほぼ売却してXシリーズやGFXの資金にしてきましたが、土台となる写真の価値観の中にはフィルムで得られる色調や描写への憧れがあり「フィルムの描写が好き」だからフィルムの描写になるべく寄せているフィルムシミュレーションがある富士フイルムのカメラを使っています。
ここで言うなればデメリットはフィルムが高価という点です。
あとは確実性がデジタルより低いという点もデメリットだと思っています。
撮影中、フィルム室の蓋を開けてしまえば撮影した写真は消えてしまうし、当然何年も前に販売されていたカメラで撮るわけですから急に故障する可能性もあります。
そして現像をお願いするDPE店での現像事故も0ではないです。
せっかく時間と金をかけて撮影した写真が不注意や理不尽な原因で台無しになることもあります。
たとえ趣味とはいえ納得できない場合もあるはずです。
そこにそれなりの時間と金をかけることに合理性がないと自分は判断してます。
ではメリットは何か、それはフィルムでしか得られない描写です。
デジタルでフィルムを再現というのが巷で流行ってますが、それに対しては否定も肯定もしません。自分はデジタルでフィルムを再現するのは不可能だと思ってます。
撮影条件や使用した機材、フィルムの状態などによっておそらく無限に描写の可能性があるフィルムを数値的に根拠をもったデジタルで再現するのは合理的ではないです。
撮影した人の数だけフィルムの描写に対する認識があると言える以上、すべての人が納得するものを作るのは不可能に近いと思います。
それならばフィルムで撮影した方が早いし確実だと思います。
あくまでフィルム風を楽しんでいるというのが現状であり節度だと思ってます。
粒状感や人間の目で判断する微妙なトーン、数値やデータでは踏み込めない領域がフィルムの可能性だと思ってます。
これが自分がフィルムで撮る理由だと今は思ってます。
以前の様に1000円以下で数種類のフィルムが選べる時代が来たらまたフィルムでの撮影を頻繁にすると思います。
そしてその時代もきっとまた数年で舞い戻ってくると感じています。
話をF100に戻すと…
露出やAFに信頼のあるカメラとしてはCanon EOS-1Vを除けばNikon F5やF100、F6くらいしかないと自身の経験で実感してます。
その中でも安価で意外と中古が多いF100はフィルムで安定して撮影していくにはちょうどいいカメラだと思います。
もちろんF100には欠点もあります。
それが加水分解によるグリップのベタつきです。
残念ながら自分は根っからの文系人間なのでこのウェブページに書かれている説明を途中から流し見しただけに至りましたが、理解できる人はできるのでしょう。
調べた結果を自分なりに要約すると、空気中に含まれる水分の分解作用がグリップの素材に反応して分解しようとし、その過程で生まれるのがベタつきである、と。
防ぐことは難しいようで、進行を遅らせたりベタつきを落とすことで対処できるようです。
F100はこのベタつきが起こることが多く、中古ではF100の裏蓋のみが販売されているほどです。
それくらい認知度の高い不具合であると言えます。
これがF100を使っていく上での欠点だと思います。
それ以外に欠点だと思える点はないと思っています。
GタイプレンズもDタイプレンズもほとんど制約なく使えるのでAFスピードもそれなりに速く軽度な動体撮影にも使える点が特にメリットだと感じていて、Nikonはまだデジタル一眼レフカメラを販売している(2023年10月現在)ので、必然的にデジタル一眼レフカメラ用のレンズも販売しており、修理対応もしているものがあります。
フィルムが自分の撮影スタイルに今より深く食い込んだ場合、使い慣れたレンズが修理できずに使い捨てというのはかなり困ります。
その点もまた老舗Nikonのメリットですね。
大事な写真や、デジタルカメラの撮影では不都合がある場合に限ってはフィルムでの撮影をしたいと考えていて、そのためにF100を入手しました。
GFX50SII GF80mm F1.7 R WR 絞りF5.6
この写真GFX50SIIにGF80mm F1.7 R WRつけて撮ったんだけど被写界深度の浅さハンパない上に絞り開放からこの描写…
過去Nikonのデジタル一眼レフはD300SとD700を使ってました。
どちらも思い出深い良いカメラでした。
そのどちらとも似ていて馴染みあるデザイン。
Nikonのカメラは所有欲を満たせるかっこよさがあるなぁと思います。
ちなみにちょっとだけ今話題になっている機材マウントの話にちらほら出てくるプロストがこちら
Nikon Professional Serviceの略です。
この会員になると手に入るストラップということらしいけど、メルカリとかで普通に取引されているので、プロストがプロである証明というのは無理があるかと思います。
自分もF100と一緒に譲り受けてます。
さてF100を、ボディを手に入れたのならばレンズがなくては撮影できないのが一眼レフ。
レンズをどうしようかと思い色々調べる上で辿り着いたのが
AF-S NIKKOR 24-85mm f/3.5-4.5 G ED VR
他にも色々選択肢があるのが老舗Nikonの良さであり難しさだと思います。
具体的な選択肢はAF-S 24-70mm f/2.8 GかAF-S 24-120mm f/4 Gを含めた3本。
上記2本はナノクリスタルを使っているので描写の担保がされている点も魅力。
AF-S 24-85mm f/3.5-4.5 Gはキットレンズではあるものの、いわゆるプラマウントのしょぼい奴感は一切なく、大ヒット機種であるD750のキットレンズだったのもありしっかりと撮れるズームレンズです。
焦点距離のレンジがワイドで1本で色々対応できるのも魅力。
そこまで大きくなく、重さもわずかでしかも寄れるとなればこれがベストだと思いました。
久々にフィルムで撮ったので緊張感がありました。
その写真たちがこちら
たまたま家にあった期限切れの富士フイルムの白黒フィルムでとりあえずテストしたけど結構良くて、仕上がりには満足しました。
実際に使ってみて分かったことは、ワイド側である24mmではAFが上手く機能しない場合があって遠景撮影時にはシャッターを切ることが出来ないことがありました。
ズームレンズのワイド側なので周辺画質も期待出来ないしあまり使わないだろうけど、AFしないのは想定外でした。ちなみに35mmにズームするとAFするのでそこまで不便だとは思わないです。
そのクセが理解できたのも成果ですが、何よりズームレンズの割にはしっかりと写るのでボケや明るさを求めなければAF-S 24-85mm f/3.5-4.5 Gだけでもかなり楽しめそうだと思いました、がそう思っていた矢先にたまたま安価で綺麗なAF-S 50mm f/1.8 Gが手に入ったので万全な体制となりました。
AEはNikonらしく少し明るめで、Nikon FEやFM3も少し明るめだったのでNikonなりの考えがあるようです。その分シャッタースピードが遅くなることがありますが、露出補正等で制御して行けば問題ないです。このあたりはNikonらしさが残っていて安心しました。
実際に使った上で思ったのは、当時さぞかし心強いカメラとして頼りにされたのだろうなということです。
今ではとんでもない価格のリバーサルフィルムも装填してここぞという時に使いたいと思えるほどの性能だと思います。
重要な撮影だったとしても不足はないです。
今後、特別な撮影でフィルムでも写真を残せたらと思うので、F100はとても頼りになります。
Nikon F100は比較的安価に手に入るフィルム一眼レフとしては高性能かつ無難な選択肢だと思います。
デジカメが思うように手に入らず撮影がマンネリ化してきたこんな時だからこそフィルムで!と思った方にはぜひオススメしたいカメラです。