koyuki. FUJIFILM Log

富士フイルムのカメラとレンズの感想文みたいなブログ

MV撮影

今日はフィルムカメラを持ち出してテスト撮影

先日手に入れたばかりのNikon F100に貴重なAGFAのフィルムを装填し露光チェック

ついでに買おうかと考えてるレンズのテストも兼ねてる

いい感じなら自分のバンドのアー写撮影をフィルムでも撮ろうかと思う

 

しばらく天気が良くないようで

フィルムで撮るなら天気がいい時でなくては

 

暑いけど、撮りきってくる

 

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さて今日の話題「MV撮影」

 

MV撮影はライフワーク、そして30代の思い出作りという名目で友人のデコピンと

twitter.com

ふたりで作曲とレコーディングから撮影までをやってる

曲は元々デコピンがアコースティックで作ったものを自分がバンドアレンジしてる

オケを作り、スタジオで歌を録り、MIXして音源を完成させ映像と合わせる

完成までにとても時間がかかり今作は音源作りからだと1年以上かかってる

 

そのMVがこちら

youtu.be

 

 

今日はその行程の一部である撮影の一部始終を話そうと思う

文章だけのやたらと長い自分語りなので煩わしく思ったらせめてMVだけでも観ていって欲しい

 

今回のMVで3作目、曲自体はもう10年以上前からある曲

過去のMVは歌詞に沿った映像を撮る為にそれっぽい場所を探して撮影したし、映像には歌詞が載ってる

今作は直接的な表現を避けて歌詞は載せず、イメージ映像に近いものにしたいと考えた

そのほうが観る人、そして歌詞を聴いた人ごとの捉え方や受け取り方がなされてMVを観てくれた人の記憶に残るのではないかと考えた

10年以上前からあるこの曲を好きでいる自分なりのこの曲への愛だと思う

とてもいい曲だからなるべく多くの人に聴いてほしいし、同様に好きな曲になって欲しいと思った

 

ふたりで歌詞を見つつ直接的な映像表現になりすぎないよう考えてロケ地を選び、想定されるシーンの時間帯や太陽の位置、衣装や小道具などを話し合った

なぜ太陽の位置が関係しているかというと、順光だと目を開けるのが困難だから

実際、やむなく順光で撮影しているシーンは目を開けているのがしんどそうな時がある

あとは時間帯によっては太陽の角度によってハイライトとシャドウのつき方が変わるので被写体の盛れる角度が目立つかどうか、そして仕上がりへの納得度が違ってくる

 

選定したロケ地は横浜みなとみらい、江ノ島腰越海岸、千葉にある九十九里浜

この中でも選ぶのに一番時間をかけたのが九十九里浜だった

九十九里浜を選ぶにあたって基準になったのは砂浜の広さと人工物を写さないようにする時のアングルの自由度

電線やテトラポット、もちろん通行人も写さない為にはそもそも閑散としてる場所である必要があり昨年夏の終わり8月下旬に九十九里浜に行った時ほとんど人がいなかったのが選定理由だった

実際にはテトラポットを写してでも使いたいシーンがあったので完全に人工物がないわけではないけど…

ドローンによる空撮映像やアイドルのMV等での確認だった為、不安は残ったが撮り終わった今となっては自分たちには九十九里浜以外にはきっとなかったと思う

 

ここでは砂浜で白い服を着て白い布を持って歩くシーンを撮りたいと考えた

その結果AFに信頼のおけるカメラが必要だと思いX-H2Sを購入した

きっかけが今回のMV撮影だっただけで、そもそも買おうと思っていたけど

実際には白い布(ベッドシーツ)は白すぎてイメージに合わない気がしたのでオフホワイトにしたくて紅茶で染めたがこれがちょうどよくコントラスト差が生まれてAFしやすかったと思う

AFは基本的に瞳AFをONにして撮影していた

X-H2Sの瞳AFはとにかく精度が高くここにリニアモーターが絡むとコントロールの自由度が上がる

フォーカス送りをAFで行ったシーンもあったけど見事なまでのスムーズさで楽にクオリティが上げられる点、アマチュアのワンオペ撮影にも関わらず素人臭くない映像になった点でかなり満足できた

富士フイルムのカメラではカラコレの必要を感じないのでシーンに合うLUTを探す必要もないし素材の切り貼りだけで作れるのはとても楽だった

手間暇かけて作るものは思い入れも大きいけど、時間なきサラリーマンの趣味にしてはカラコレは重荷だと思うし下手にカラコレして変な仕上がりになるよりエテルナをちょっといじって撮って出し4K動画を扱った方が楽だと思う

スキントーンもナチュラルで主張の強くないエテルナにカラーを+2して現実味のある色調にするだけで満足できるので素晴らしいと思う

 

いざ撮影、最初のロケ地は江ノ島腰越海岸

デコピンも自分も勝手知ったる土地なだけあってリラックスして撮影できたと思う

この時はまだXF16-80mmを使っていて、ボケに頼るシーンがあるかもしれないと思いXF90mmも持ち出していたけどここでリニアモーター搭載のXF90mmが最高の撮れ高を残してくれたのもあり非LMのXF16-80mmはわずか1ヶ月で換金となった

LMの絶大なAFコントロール能力に惚れてしまいすぐさまXF18-120mmを購入した

動画撮影用のレンズだけあってとても素晴らしい映像が撮れたので後のシーンの全てをXF18-120mmで撮影した

今回に限った話とするならば機材費に約40万かけていたがそんなもの気にならなくなるくらい良い映像を撮れたと思う

 

綿密に打ち合わせをしても当日思わぬことで手こずることもあったし、現場で思いつくことを試してみたらとても良かったりして少人数ならではの舵取りで撮影は大きな難なく完了した

今回の撮影の中で改善点やこうできれば良かったという点は

・歩行する映像を水平をとりながら撮るには電子ジンバルが欲しい

・みなとみらいエリアで三脚使用できれば良かった(許可を取るのに金が必要らしい)

・最初からXF18-120mmを使えたら江ノ島でのシーンのクオリティを上げられた

・ミニ三脚を使った撮影に慣れておくべきだった

 

ミニ三脚を開いて胸部で固定して撮影するという技法があってみなとみらい地区では基本ミニ三脚を地面につけずに撮影した

(一部休憩してるふりして段差に腰かけて傍にカメラをセットして撮影したけど)

チルトする映像を撮る時はビデオ雲台の必要性がとても高いことも感じた

 

ともあれ今作はかなり満足度の高い仕上がりになったし、自分においては自信につながった

すでにX-T5も発売されていて当然モノとしてはそちらの方が断然欲しいのだけど、道具として信頼できるのはやはりX-H2Sだと思ったしそれに間違いはなかったと思う

 

音楽を始めて18年、カメラを始めて15年

どちらもブランクがあったりして歴だけやたらと長いけど両方が結びついて形になっている楽しさを噛み締められるのも納得できる映像を納得できる色で記録できる富士フイルムの機材あってこそだと思う

音楽とカメラ、どちらも続けていて良かったと思える

 

最後に、本編とは関係ないけど九十九里浜での撮影当日の早朝に撮った写真を載せておく

ダラダラと長い文章を最後まで読んでくれてありがとう

 

 

 

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