koyuki. FUJIFILM Log

富士フイルムのカメラとレンズの感想文みたいなブログ

カメラの進化と僕らの怠惰

koyuki.です。

 

何やらポエティックなタイトルになっております。
「僕ら」と書いてますが筆者はkoyuki.ひとりです。
語呂が良いので僕らにしました。

 

これは遡ること数週間前。

 

我がバンドのアーティスト写真の撮影をフィルムでも撮りたいと思ったのでNikon F100をカラーネガでテストするべくkodak GOLD200を装填して撮影した時のこと…。

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AF-S 50mm f/1.8 Gの試写も兼ねていました。
車検後の受け取りがてら帰路の途中で1本撮り切ろうと36枚のほとんどをAF-S 50mm f/1.8 Gで撮影しました。
アーティスト写真も単焦点で撮るつもりだったからです。
今思えば直前とはいえカラーネガで確認しておいて本当によかったです。

36枚を撮りきり、翌日職場で現像しスキャンしてモニターで確認した時
「え…、ピント合ってないじゃん…」
とガッカリしたのです。
その写真がこちら

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すごくいい光が当たっていて、これはこの日1番の1枚になるぞ…!と期待してシャッターを切ったのに…とガッカリしてしまいました。

こういう結果が残るのもフィルムでの撮影の醍醐味といえばそうなのですが、X-Pro3なら…とかX-H2Sなら…と思ってしまうのです。

ちなみに一緒に付け替えながら使ったAF-S 24-85mm Gで撮ったのはこちら

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こちらは後ピンになることなく、しっかりとフォーカスしてくれていると思います。それだけにAF-S 50mm f/1.8 Gで撮影した方の歩留まりの悪さに……。

 

では、原因は何か…そして改善するにはどうしたらいいのかというのを悶々と考えること1日。

 

F100自体のAFに問題があって、それが原因であれば直すのは難しいというのが調べた結果でした。フォーカシングスクリーンの位置がズレているとか、ミラーが定位置からズレている、とかそういう原因が考えられましたがこれは改善することは難しい…。

Nikonの修理サポートにも確認を取りましたが当然F100が原因のピント位置ズレは直せず…。

なのでレンズが原因であることを前提に考えてみることにしました。

そこで職場にあったD7000を使って所有している2本にあるこの差は何かを探ってみました。

その結果分かったことがありました。

 

レンズが原因ではなかったのです。

 

では、原因は何か。

それはAFの性能を把握してなかった自分自身にありました。

今までフィルムカメラは基本的にマニュアルフォーカスで撮ってました。Nikon F3OLYMPUS OM-1などなど…。そしてフィルムカメラでAF搭載機はプロフェッショナル機最高峰であるCanon EOS-1V。それにLレンズを付けて撮影していたのでAFはかなり信頼度の高いレベルだったのと、ファインダーが見やすく扱いやすかったのです。

要はEOS-1VほどAF精度の高くないF100に対して過度に期待してファインダーでしっかりとピント位置を確認することなく撮影していた、という自分の確認不足と認識違いが招いたことだったのが原因でした。

 

今自分が使っているデジカメはどれもAF精度が高く特にX-H2Sは失礼ながら富士フイルムのカメラとは思えない程、立派にAFしてくれます。

そんな状況に慣れすぎていたせいか、AFを疑うことなどせずに撮ってました。

 

職場のD7000を拝借してテストしたことで発覚した今回のことですが、対策としてはあくまで像のズレが分かりにくい時や輝度差、コントラスト差のない平面(Nikonは昔から苦手)などにフォーカスしようとした時は撮る前に必ずピント位置をじっくりと確認してからシャッターを切るようにする、ということだと思います。

 

以下D7000で撮影した写真ですが

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この写真はレンズフードに書いてある「FUJIFILM」の文字にフォーカスしたつもりでシャッターを切ってますが、正確には奥のプロテクターに書いてある文字にピントが合ってます。
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これはコントラスト差と像のズレがある状態を作ってAFした写真です。

何度AFしなおしても必ず赤い箱の表面、北海道の絵柄に合いました。人間の目も同じであるように、差があればあるほど認識しやすいということを改めて理解しました。

 

今回の件で大事なことは

「カメラがより正確に動作しやすいようユーザーが考える」ということだと思います。

これはカメラがいかに進化したとしても同じことだと思います。

ほんの少し角度を変えるだけ、ほんの少し近寄ってセンサーに対して被写体がより大きくなるようにするだけでAFの精度やスピードは変わることがあります。

カメラが優秀になり、ユーザーの自由度は増したと思います。それに怠けて工夫することを辞めるとカメラの進化が無駄になるような気がします。良いアシストがついたからこそ新しいことに挑戦できるのもカメラの進化による恩恵だと思います。

 

今回の失敗は普段の機材の撮影にも活かせるものでした。特にGFX50SIIでの撮影の時に気遣う点に近いものもありました。

いい勉強になったと思います。

これからもこういった気付きがあった時は記事にしていこうと思うので、良かったら読んでください。