昨今のカメラはAFが格段に良くなった
あっという間にピントが合っている
しかも割と正確に
技術の進歩には驚かされる
この業界にいて14年ほど(ブランク有)だが、ここ数年デザインを変えずにコストを下げ中身だけ進化させる作戦が続いているカメラ業界も、中身の進化は止まることを知らない
たまに鉄道写真を撮る方がプリントに来ることがある
写真の話や機材の話、撮影場所などの話をする中で自分はいつも撮影方法の話をする
その中で驚いたのは
今はほとんど置きピンなんてしない
ということだった
今はカメラが優秀だからAFでもしっかりピントが合う
それは素晴らしいことだと思う
誰でも簡単にいい写真が撮れる
それは逆を言えば誰よりも良い写真を撮る難易度が上がったということにもなると思う
そんな中自分は2022年の春に置きピンで撮影した
GFX50SⅡ GF100-200mm
コントラストAFのカメラ、GFX50SⅡ
以前にも書いたようにIBISが強力なのでコントラストAFでもフォーカスするまでが早い
しかしながら追尾に関しては正直使いものにならないと思ってる
桜並木を自転車で駆ける少年
その後ろ姿を撮りたいと思ったが、この機材では…
と悩んだ一瞬のこと
置きピンの存在を思い出した
置きピンならきっと撮れる
そう確信した自分は前ボケもそれなりに得られる枝にピントを合わせて彼がその下に到達するのを待った
機材がいかに進化しようとシャッターを切るのは人間
切りたいと思った時に切る
それはこの先もしばらくは変わらない
そうある限り、きっと置きピンという技術は損なわれることはないだろう